クリエイター日記

#2 NFT販売開始2ヶ月、最初に考えた戦略

コレクションにするための最初の壁

前回の記事「初めて部長が売れたときの話」で書いた通り、最初に展開した部長はYシャツ姿の部長でした。ポージングのバリエーションは当時で、3種類。「寝そべっている部長」「満員電車の中の部長」「ラジオ体操をしている部長」この3つを作成して、後から様々なポージングでバリエーションを増やしていくつもりでした。

そうです。ただの作品ではなく「コレクション」として運営していこう!…と考えたんです。

「新作を出す」=「新しいポージングで作品を作る」…ということを疑い始めました。その理由は、コレクションの立ち上げは、絶対的に「安い価格」でスタートするのが良い!と思っていたからです。実際、最初の30作品くらいは「この価格で本当に良いんですか?」くらいの価格で行こうと思っていましたし、事実0.005ETHという価格で作品をリリースしています(本音を言えば…「出す作品、出す作品、全てオリジナルの異なるポージングで作品を作るのはキツい…」というのもあります)。

100作品あったとしたら、100作品が全て同じポージングでも別に問題はないんですよね。

そうなんです。最初は「3パターンしかポーズがないから、増やしていくのはなかなか大変そう…」と思っていたのですが、ポージングを増やす必要はどこにもないんです。そこで、あくまで実験的ではありますが、ポージング3種×背景のカラーバリエーション4色という「合計12パターン」で作品を作ってみました。(下記Tweet参照)

コレクティブルで勝負しようと決意

このようにバリエーションを作ることは、「1点ものの作品で勝負するコレクションではない」という意思表示を見せることに他なりません。今考えると、自分のパワーと当時のOpenSeaの市況から、早々に「コレクティブルで勝負しよう」と考えていたのかもしれません。

ポージング以外のバリエーションで、コレクションを作ろうと思った理由は、他にもあります。もし、3種類のポージングしかない作品を素直に見せてしまうと、3つのコンテンツしか並んでいないお店をオープンすることになります。「ここはどんなお店なのかな?」とワクワクしながら入ったお店で、3つしか作品が並んでいなかったら…

恐らく、「え…これだけ…?」と思うはずです。

3つしかない作品が、例えば「ゴッホのひまわり」「ピカソの自画像」「岡本太郎のメッセージ性の強い絵」だったとしたら、納得です。たった3つの作品でも空間として成立してしまうので、「良いものを見た」と満足をする方もいるかもしれません。

怪人と戦闘員の戦い方の違い

個の力で戦いにくい作品は、少数で勝負するべきではない。

仮面ライダーでは、怪人はライダーと1対1の勝負となるのに対して、戦闘員は必ず「1対複数」で勝負を仕掛けてきます(仮面ライダーとタイマンを張ろうとした戦闘員を、私は見た記憶がありません)。物語の終盤で屈強な戦闘員が登場して、ボロボロになった仮面ライダーを倒す…みたいなストーリーがあっても良さそうなものですが、仮面ライダーの世界では戦闘員はフェアなのです。

つまり…戦闘員は、必ず複数として勝負を仕掛けるからこそ、あの戦闘力で十分なんです。いくら強い仮面ライダーだとは言っても、戦闘員が千人もいれば互角に戦えると思いませんか?

実際に、この部長コレクションを出した数ヶ月後から、いわゆる「神絵師」と呼ばれる方たちが続々とNFTへ参戦しました。とんでもないクオリティで、まさに「絵画」と呼ばれるような作品が国内のNFT市場を席巻しました。あの時、もし1点モノの作品で勝負をしていたら…どうなっていたかは簡単に想像ができます。

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