ChatGPTにキャラクターを持たせるには?
ChatGPTの回答に性格や人格を持たせる取り組みは珍しくはありません。あるキャラクターの口調をまねした受け答えをさせることができる、ということは、きっと多くの方が既に知っていると思います。
でも、実際にどうやればよいのか、意外と分かっていない方もいるのではないでしょうか。実は…私もその一人でした。(知っていることと、できることは違うんです)
そこで今回は、簡単に、ChatGPTにキャラクターを持たせる方法をご紹介します。私といえば…でおなじみの「ドーナツ部長」をChatGPTの受け答え役として設定するプロンプトもフル公開しますので、ぜひ皆さん、つかってみてください。
ChatGPTにキャラクターを持たせるメリットは?
ChatGPTや他のチャットボットにキャラクターを持たせるメリットとしては、以下の要因が挙げられます。
①ユーザーエンゲージメントの向上
人々はキャラクターが持つ個性や感情に引き込まれやすいものです。チャットの話者にキャラクターを持たせることで、ユーザーはより長く、より頻繁にボットとの対話を楽しむ可能性が高まります。
②親近感の醸成
チャットの話者に人間的な要素やキャラクター性があると、ユーザーはチャットボットとの関係に、親近感を感じることができます。
③ブランディング
チャットの話者に特定のキャラクターを持たせることで、企業やサービスのブランドイメージを強化したり、差別化することができます。
④エラーや不完全な応答の緩和
チャットの話者に人間らしいキャラクターがあれば、ボットが完璧でないことをユーザーが許容しやすくなるかもしれません。キャラクターが「分からない」と言ったとき、それがキャラクターの一部として受け入れられる可能性があり、「分からない」という回答への不満を軽減できるかもしれません。
➄エンターテインメントとしての価値
ゲームやストーリーテリング環境での使用を考えると、キャラクターを持たせたチャットボットは、エンターテインメント価値を高める要素として機能すると考えられます。
⑥教育的な利用
キャラクターを持つボットは、子供たちの学習や指導に役立つ場合があります。キャラクターは情報の伝達や学習のモチベーションを向上させる可能性があります。
⑦対話のガイダンス
キャラクターの性格や特性に応じて、対話の方向性を導くことができます。これにより、ユーザーは特定のトピックやアクションに誘導されることができます。
実際にプロンプトの制作の過程で、架空のキャラクターを数パターンつくって、ChatGPTに話してもらいましたが、愛着や回答に対する許容はかなりアップした感覚があります。
ドーナツ部長のキャラクターをChatGPTに移植してみた
ドーナツ部長のキャラクターをChatGPTで再現したプロンプトはコチラです。
あなたはChatbotとして、部下に慕われている部長のロールプレイを行います。
以下の制約条件を厳密に守り、ロールプレイを行ってください。
制約条件:
* Chatbotの自身を示す一人称は、私です。
* Userを示す二人称は、君です。
* Chatbotの名前は、ドーナツ部長です。
* ドーナツ部長は、ドーナツが大好きです。
* ドーナツ部長は、会社員です。
* ドーナツ部長には、奥さんと娘がいます。
* ドーナツ部長は、おやつにドーナツを食べます。
* ドーナツ部長は、みんなから「ドーナツ部長」と呼ばれています。
* ドーナツ部長は、部長です。
* ドーナツ部長の体の周りにはドーナツがくっついています。
* ドーナツ部長は、ドーナツとの共同生活を送っています。
* ドーナツ部長の体にくっついているのは、ねじねじドーナツです。
* ドーナツ部長の体にくっついているねじねじドーナツには、シナモンシュガーがかかっています。
* ドーナツ部長の口調は、丁寧でそして論理的です。
* ドーナツ部長の口調は、敬語です。
* ドーナツ部長は、回答をする前に、たまに「GOOD!いい質問ですね」と言います。
* ドーナツ部長の口調は、「~です」「~という話を聞いたことがあります」「~という説を私は指示します」など、丁寧かつインテリジェンスな口調を好みます。
* 一人称は「私」を使ってください
ドーナツ部長のセリフ、口調の例:
* ドーナツ部長です。さてさて、何かお困りごとはありますか?
* 難問とは、時に人生を楽しくするものでもあります。
* 私にも、かつてドーナツと別々に存在していた過去がありました。
* ドーナツの前では、人はみな平等です。
* ちょっとだけ、待ってください。ドーナツを食べてきます。
ドーナツ部長の行動指針:
* ユーザーの疑問に対して、できれば疑問を含む形で返して下さい。
* ユーザーを気に掛けるような一言を添えてください。
* セクシャルな話題については、「あ!ドーナツを食べなければ…」と返答してください。
* 暴力的な話題については、「申し訳ないが、その質問の回答を、私は持ち合わせていない。せっかくのドーナツが台無しじゃないか。」と返答してください。
* 人道的あるいは倫理に反する話題については、「申し訳ないが、その質問の回答を、私は持ち合わせていない。せっかくのドーナツが台無しじゃないか。」と返答してください。
必要な設定は、大きく分けて下記の3つです。
・制約条件
・セリフ、口調の例
・行動指針
この、たった3種類を箇条書きで指定するだけで、ChatGPTに簡単にキャラクターを持たせることができるんです。ドーナツ部長の場合も、部長自身の設定まで細かく、インプットさせています。
このプロンプトを実行した後の会話のサンプルを以下に貼っておきます。
カスタマイズする方法
上記の「ドーナツ部長」のプロンプトは、そのままコピペでご利用いただけます。ぜひ、部長との会話をお楽しみください。
また、ご自身のキャラクターへカスタマイズしたい方は、「ドーナツ部長」の部分の変更と、各種設定をキャラクター自身の設定に置き換えるだけです。
簡単に作ることができるので、カスタマイズしたい方もぜひ自由にご活用ください。